近年の熊本市の年間出産総数は約7000人前後で推移し、福田病院はその半数以上を取り扱う周産期の基幹施設です。クリニックの副院長は、福田病院で毎週月曜日(または火曜日)の産科(周産期)外来の担当医として勤務し、胎児診断や遺伝相談を必要とする事例の診療に従事するほか、周産期医療の実技指導を含む教育を務めています。
福田病院は多くのハイリスク妊娠症例を慎重に管理する一方で、さらに多くのローリスク妊娠症例を取り扱います。その中には個別の理由で通院しにくい(移動や診療に要する時間をつくりにくい)というご事情に悩むご夫婦が少なくない印象です。そこで日本医科大学多摩永山病院の「母と子のネットワーク」を参考に、病院と診療所の連携を着想しました。
最良の周産期医療の提供を目的に、クリニックを含む「分娩取り扱いのない施設」の協力下に、地域診療の連携体制を強化し、各施設の特性を活かすシステムの構築を目指します。以下の条件に全てあてはまる場合には、クリニックで「福田病院と連携した妊婦健診」が可能です。連携健診をご希望であればクリニックにご相談ください。
連携健診の実施条件
- ①クリニックから福田病院へ、妊娠と分娩の管理を目的に紹介されている。
※クリニックから福田病院またはソフィアレディースクリニック水道町に不妊症の治療を目的に紹介され、妊娠後に福田病院で分娩を予定している場合も対象です。
※現在他施設に通院中で連携健診をご希望の場合には、妊娠15週6日までにご来院ください。
〔通院中の他施設からクリニックに宛てた紹介状(診療情報提供書)が必要です。〕 - ②福田病院で分娩予約している。
- ③福田病院の診察で「いんでレディースクリニックで管理可能である」と判断されている。
※副院長の福田病院勤務日に、副院長が妊婦健診を担当してその可否を直接判断します。
連携健診の特徴や期待される効果
メリット | デメリット |
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・往復に要する移動時間の削減(の期待) ・診療に要する待ち時間の短縮(の期待) ・診療担当医が固定されて診療内容の個人差が少ない ・夜間や休日の時間外診療を福田病院で受けられる |
・手続きや仕組みが煩雑である ・現病歴や既往歴を理由に連携できない場合がある ・診療担当医が固定されて意見の多様性が少ない ・一部検査や保健指導の対応能力に限界がある |
※クリニックの診療担当医は原則的に副院長です。(副院長の福田病院勤務予定日の診療担当医は院長です。)
利用方法・スケジュール・注意事項など
※クリニックから福田病院またはソフィアレディースクリニック水道町に不妊症の治療を目的に紹介された場合には、〔副院長の福田病院勤務予定日〕 を参考に、福田病院の妊娠21~24週の妊婦健診で印出医師を指名します。
妊娠週数 | 診療内容 | 備考 |
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妊娠初期~11週 | クリニックで分娩予定日を決定し、妊娠初期検査を実施します。 | 分娩予定日決定後に、役所で母子健康手帳の交付を受けます。 |
妊娠12~15週 | 福田病院あてに、連携健診申し込み専用の紹介状を作成・発行します。福田病院外来をご予約下さい。 (ゆうかり倶楽部:096-322-5116) |
既往歴・妊娠歴・診察所見・検査結果によりご紹介前の時点で、クリニックで連携管理できないと判断される場合があります。 (例:多胎妊娠や妊娠34週未満の早産既往) |
妊娠16~20週 | 福田病院で今回妊娠のカルテを作成し、担当医の妊婦健診を受けます。 | 医師指定はありませんが指名可能です。 助産師の保健指導を実施します。 |
妊娠21~24週 | 福田病院を受診し、外来受付で印出医師を指名します。(※クリニック副院長による妊婦健診を実施します。) クリニックで管理可能と判断されれば次回から連携健診開始です。必要書類を受け取り、次回来院時に持参します。 |
クリニックで連携管理不可と判断された場合には連携健診を受けられません。帝王切開術の適応があり、今回帝王切開分娩を希望される場合には手術予約が可能です。 助産師の保健指導を実施します。(各種学級・イベントなどの参加情報を得ます。) |
妊娠25~32週 | クリニックで連携健診を受けます。 | (福田病院で未実施であれば)妊娠中期検査(福田病院のドック②検査と同一内容)や 75 g 糖負荷試験を実施します。 福田病院受診を指示された場合は、すぐに福田病院を受診してください。 |
妊娠33~34週 | クリニックで連携健診を受けます。 福田病院あてに、連携引き継ぎに関する必要書類を作成・発行します。 |
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妊娠35週~ | 妊娠後期検査の実施に合わせ、福田病院で妊婦健診を再開します。 | 医師指定はありませんが指名可能です。 |
- クリニックにおける連携健診の受診前にお電話で事前予約をお願いします。(ご来院のタイミングによって診察までの待ち時間が長くなる場合や、血液検査に際して食事開始時刻を調整する場合があります。)
- 副院長の福田病院勤務予定日は原則的に月曜日ですが、臨時で月曜日以外に診療する場合があります。
〔副院長の福田病院勤務予定日〕
06月:6日(火)・12日(月)・19日(月)・26日(月)
07月:4日(火)・10日(月)・18日(火)・24日(月)・31日(月)
08月:8日(火)・21日(月)・28日(月)
- クリニックは妊婦健診以外の事由による予定外の診察に対応できない場合があります。なにか気になる症状があってクリニックを受診したい場合は、クリニックで対応可能かどうか、受診前にクリニックに直接ご相談ください。クリニックの診療時間外で診察をご希望の場合は、福田病院にご連絡ください。(※連携健診中でない妊婦さまは居住地を管轄する救急指定病院の産婦人科にご相談ください。)
- 連携健診においてハイリスク妊娠やハイリスク分娩に移行し、福田病院と共同して医学管理する必要がある場合にハイリスク妊産婦共同管理料が発生します。あらかじめご了承ください。
- クリニックの超音波検査装置は、エコー動画配信サービスのエンジェルメモリーに対応していませんが、(経腟・経腹ともに)超音波検査中にご自由に検査画面を撮影できます。