ヒトパピローマウィルス(HPV)感染症 要予約
HPV(human papilloma virus:ヒト乳頭腫ウィルス)は良性病変(尖圭コンジローマ・喉頭乳頭腫など)や悪性腫瘍(子宮頸がん・腟がん・外陰がん・喉頭がん・咽頭がん・肛門がん・陰茎がんなど)の原因ウィルスです。ほとんどの女性が HPV に感染し、その多くに自覚症状はなく、生来の免疫力によって HPV は自然排除されます。しかし一部の感染女性で HPV は自然排除されません。子宮頸がんの 99 %は HPV 持続感染が原因で生じる異形成や腺異形成から発生します。HPV は 100 種類以上の型に分類され、子宮頸がんや尖圭コンジローマ発生に関連する型が存在します。
※子宮頸がんワクチンの積極的な勧奨の差し控えによって接種機会を逃した女性に対して、令和4年4月1日から令和7年3月31日まで従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行うキャッチアップ接種を開始します。
〔キャッチアップ接種の紹介動画〕
〔HPV ワクチン〕
種類 | 販売品和名 | 代表的な関連疾患と関連する HPV 型 | 公費負担 |
---|---|---|---|
9価ワクチン | シルガード9 | 子宮頸がんの 90%(16・18・31・33・45・52・58型) 尖圭コンジローマ(6・11型) |
あり(定期予防接種) |
4価ワクチン | ガーダシル | 子宮頸がんの 70%(16・18型) 尖圭コンジローマ(6・11型) |
あり(定期予防接種) |
2価ワクチン | サーバリックス | 子宮頸がんの 70%(16・18型) | あり(定期予防接種) |
※ HPV ワクチンを接種しても全ての子宮頸がん発生を予防できません。定期的な子宮頸がん検診を推奨します。
※初交の低年齢化やコンドームを使用しない性交で、20~40 代女性の HPV 感染や子宮頸がんが増加しています。
外部リンク:子宮頸がんと HPV ワクチンに関する正しい理解のために
資料(1)HPV ワクチン接種の対象年齢のお子さまおよびその保護者向けリーフレット(概要版)
風疹(三日はしか) 要予約
風疹は、風疹ウィルスによって急激に発症する、発熱と発疹を伴う感染症です。妊娠20週までの妊婦が風疹にかかると、児が先天性風疹症候群(感音性難聴・先天性心疾患・白内障・緑内障・精神運動発達遅延など)として出生する可能性が高いです。特に30~40代の男性で風疹に対する抵抗力が低いと報告されており、家庭内感染に注意が必要です。
※麻疹風疹混合ワクチン〔ミールビック(乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン)〕は生ワクチンです。
〔風疹抗体検査・ワクチン接種の紹介動画〕
※妊娠中の女性は麻疹風疹混合ワクチンをはじめとする生ワクチンを接種できません。
●風疹抗体検査
当クリニックで実施する検査費用が全額助成される場合があります。
助成対象者については熊本市保健所のホームページをご参照ください。
●風疹ワクチン接種
当クリニックで実施する接種費用に対して上限4000円が助成される場合があります。
助成対象者については熊本市のホームページをご参照ください。
肺炎球菌感染症 要予約
肺炎球菌感染症は、細菌である肺炎球菌によって発症する呼吸器感染症です。肺炎球菌は主に気道分泌物に含まれ、唾液などを通じて飛沫感染します。日本人の約3~5%の高齢者では上気道(鼻や咽頭)に肺炎球菌が常在します。これが何らかの契機で下気道に進展すると、気管支炎・肺炎・敗血症などの合併症を生じて重症化する場合があります。
※肺炎球菌ワクチン〔ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)〕は不活化ワクチンです。
熊本市では毎年4月1日から翌年3月31日までの肺炎球菌ワクチン接種にかかる費用を助成する制度があり、接種に関する自己負担額は 4600 円です。詳しくは熊本市のホームページをご参照ください。対象者は接種日時点で 65 歳以上や、接種日時点で 60~64 歳で特定の持病を有する身体障害者手帳1級相当などです。
インフルエンザ 要予約
インフルエンザは、インフルエンザウィルスによって急激に発症する全身性感染症です。通常初冬から春先にかけて毎年流行し、多くの場合は自然治癒します。しかし気管支炎や肺炎、まれに心筋炎・脳症・Reye 症候群などを併発して重症化します。小児・妊婦・高齢者で重症化しやすく、優先接種対象者を中心とするワクチン接種を推奨します。
※インフルエンザ HA ワクチン(フルービック HA シリンジ)は不活化ワクチンです。
熊本市では毎年10月1日から翌年1月31日までインフルエンザ HA ワクチン接種にかかる費用を助成する制度があり、接種に関する自己負担額は 1500 円です。詳しくは熊本市のホームページをご参照ください。対象者は接種日時点で 65 歳以上や、接種日時点で 60~64 歳で特定の持病を有する身体障害者手帳1級相当などです。
ワクチン接種の一般的な注意点
●37.5℃以上の明らかな発熱を認める場合には、全てのワクチンを接種できません。
●かぜ症候群などのウィルス性疾患にかかった場合には、治癒後2週間あけてワクチンを接種できます。ただし生ワクチンを接種する場合には治癒後4週間あけてください。
●ワクチン接種後には30分ほど当クリニック内で経過観察します。アナフィラキシーなどの重大な副反応や血管迷走神経反射による失神などの多くはこの間に発生します。
●接種後に発熱などの副反応がなければ当日入浴できますが、瞬発力を要する激しい運動を控えて下さい。